このカメラは、1941年にモルタ合資会社(後のミノルタ、この当時の「ミノルタ」は社名ではなくブランド名。)から発売されたミノルタベストの後期型です。1934年に発売されていた初期型との違いは、ノブ類が金属から蛇腹と同じ材質のベークライトに変わったことです。
蛇腹は、ベークライト製の3段重ねの重箱のような構造です。
127 フィルムで 4×6.5cm判と3×4cm判の両方の撮影が出来るようになっていました。
商品は80年以上前の物ですので、随処に傷や汚れ、化粧革のハガレなどが有ります。特にボディー前面及び上面の化粧革は殆ど剥がれ落ちています。
3×4cm判用のフィルムマスクは紛失しました。
シャッターは、オリジナルはモルタ製のマーブルが搭載されていましたが、60年ほど前に破損したため、藤本写真機製作所製のラピデックスに換装しています。
現在低速ガバナーの歯車が摩耗しているので、1秒から1/5秒までは2~3倍速く切れてしまいます。
絞りと距離ダイヤルは正常に作動しています。
ファインダーは素通し方式なので、透明度は100%です。
レンズは、たまたまオリジナルと同じコロナーアナスチグマート1:4.5 75㎜で、旭光学(後のペンタックス)の製品です。
レンズ内には、カビ様の曇りが特に周辺部に目立ちます。
カメラケースとストラップは、経年相応に劣化しています。
ストラップの中間紐が欠損して短くなっています。
127フィルムが入手できれば、あくまでも主観ですが、今でも実撮影に使えると思います。
*諸元
ミノルタベスト(後期型)
レンズ コロナーアナスチグマート 1:4.5 75㎜
シャッター ラピデックス T、B、1~1/300
絞り F4.5~22
使用フィルム 127フィルム
ケース・ストラップ モルタ純正(ミノルタブランド)