一元式絣で茶地の大島のアンサンブルです。(組織写真は10.11枚目です)
着物は暖かい綿入れになっています。
絣柄は紳士用大島の格子の中にさらに緻密な絣模様が織り込まれた薩摩柄のようです。
余談ですが、半世紀以上前、私の生家の湖北(現長浜市)では、養蚕が盛んで、各家庭は蚕棚に蚕を飼って、毎朝桑畑から餌となる桑の葉を摘んでくるのが日課の一つでした。
蚕は口から糸を吐き出し、首を回すようにして体を糸で包んで繭を作ります。
絹糸は、繭を熱湯に浸して絹糸を引き出します。その長さは、1個の繭から約800~1,200mともいわれています。
何個かの繭を熱湯につけて何本もの糸をつまみ出します。絹糸は蚕の繭から糸を引きだして作ります。
極寒の湖北で、祖母がガーゼ状にした絹糸のくずを背中に張り付けてくれて、暖かかったことを思い出します。
着物は絹の綿入れになっています。
表地と裏地との間に蚕の繭から糸を引きだした細い糸が裏地から飛び出し塊となるのも常のことですが、この着物も細い糸や、白い絹糸の塊があります。(写真5~8枚目は胴裏の写真です。細い糸がみえるでしょうか?)
糸がはみ出した着物の裏地でも好いとお思いの方のご購入をお願い致します。
着物裏地は黒に染めた薄い紬地を使用。
羽織裏はタテ縞に蔓唐草の珍しい地紋入りのサテンです。
繻子(朱子:しゅす)織りのサテンの生地です。
タテ糸・ヨコ糸のどちらかが表面に長く浮いている、という構造で、まるでどちらか一方向の糸で織られているように見えるほど生地面がなめらかで光沢があるのが特徴のシルクサテンです。(写真17,18枚目は組織図です)
表裏とも正絹です。
寸法(単位cm)
身丈(背)136 裄65 袖巾33 袖丈52.5 後巾30 前巾26
羽織丈99 裄66
羽織紐は直付けです。
胴裏地から糸が飛び出している以外にシミ、汚れは無いようですが、所々織キズがあります(写真は割愛します)。
シミ、汚れ等はできる限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。
ご理解の程、お願いいたします。
デジカメの画像です。スマホやパソコンによって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。また、カメラの特性で違う色になることが多々ありますのでお断りしておきます。