☗約100年前の大正時代から昭和初期にかけて大阪で作られたと思われる、とても希少価値の高い骨董、アンティークの黄楊黒彫駒です。
余り歩はありませんが40枚一式揃っています。栗の碁笥型駒箱が附属します。

☗実用普及品としては上質な中の上クラスの手彫駒です。
現代では機械彫が95%以上を占め、最高級品でも下彫りに機械を使うことが一般的ですが、本品は実用普及品ながら最初から仕上げまで駒師の手でのみ細工されたもので、簡略化された書体ならではの彫りの勢いと繊細さのある堂々とした風格が醸し出されています。
また書体の形式としては黒彫ではありますが、王将、金将、飛車、角行は現行の書体と比較して画数がいずれも1画多く、先行する大阪彫との中間、過渡期に製作されたものだと推察されます。

☗経年変化で見事な深い飴色に変わり、琥珀のごとき輝きさえあります。駒材はおそらくシャム黄楊ですが、昭和以前のシャム黄楊は現在のシャム黄楊とは別品種の木とのことです。
駒木地も専門の駒木地職人による古来の伝統技法ナタギリの切り出しなので、無機質な機械切削にはない野趣あふれる駒形となっています。写真のとおり現代の駒より歩兵がひと回り小振りなのが特長です。

☗有名作家の手による最高級品と異なり、歴史的に大事に保管されることがなかった実用普及品が比較的良好な状態で現存しているケースは希少です。
他で出品されている実用普及品と比較してもらうとよくわかりますが、コンディションや彫文字の美しさなどはとても素晴らしく、かつて在りし名もなき職人の逸品です。

☖対局用としても骨董工芸品としても最適。
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