〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉
★1976年重版 紙カバー付き。
★カバー=天地にヨレ傷、表面に保管上のスレ傷
汚れ有り。
★本体=三方に強めの経年ヤケ、ややシミ汚れ有り
本文内紙面黄変、周辺部ヤケあり。
★★上記以外、製本は堅牢で、本文内目立つシミ汚れ等無く、ご愛読に支障は御座いません。然し乍ら、48年経過の古書です。経年のヤケ等御座います。気になる方はお避け下さい。
少女名作シリーズ、主人公が少女のお話を集めたものです。如何せん、児童書なので限られたページ数の中に、ダイジェストな内容を、道徳的に問題のない範囲で収めなければなりません。
よって、主人公の振る舞いや設定に、矛盾を感じることが。主人公のエプリルは、サーカスの馬乗りスターの母を持ち、生粋のサーカス育ちです。
この時代、サーカスは人気はあるものの、サーカス出身者と分かると、上流階級では受け入れられない存在。
母を亡くした後、離れた土地へ逃げ出したエプリルは、人違いされてお金持ちのデボラ様のお屋敷に勤めることになります。
デボラ老婦人は、初めサーカス出身と聞いて猜疑の目を向けますが、直ぐにせがまれて各部屋を案内し、調度品の話を聞かせたり、夜は夢にうなされたエプリルに添い寝してやったりします。
いやー、この方、現代ならオレオレ詐欺の被害者になること請け合いの用心深さの無さ。
エプリルは良い子の設定なのですが、お使いに行った牧師様の家が、無人だったのに入り込み、あまつさえ牧師が戻ると慌てて洋服箪笥に隠れたりするんです!
挙動が無遠慮かつ怪しすぎるんですが。ここでも身の上話をし、牧師はアッサリ信じて(本当の話なんですが)味方になると約束するんです。
うーん、都合良すぎな展開。使用人として雇われた筈が、自由時間たっぷりで、名家メレデス家の子供達と、生い立ちを隠して友達になったり。
物語は様々な展開をしていき、最後はどんでん返し有り!です。少女小説がお好きな方なら、ご満足頂ける内容です。大人の冷めた眼を引っ込めて、少女の気持ちでお読み下さいませ。
状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。
古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。