幕末から明治時代初期頃の信州を代表する松代焼のこね鉢です。松代焼は、信州松代藩真田家が、江戸時代中期から後期頃に藩の殖産振興の為に、松代の寺尾地区に文化十三年から数年かけ、五百両という大きな資金を投入してようやく生み出された焼物です。その後信州の北信地区を中心に大小二十数窯が明治から昭和初期にかけて開窯し、信州を代表する焼き物となりました。その後時代の流れと共に次々と閉窯し、昭和二十年代には、全ての窯が火を落とし、幻の焼き物となりました。この品物は明治時代初期頃の作品と思われ、岡田南町(林部)窯の作品と思われます。やや荒い胎土に白い釉薬を掛けています。松代焼は、生活雑器ですのであまり硬く焼き締めておらず、傷やニュウが入りやすくこの品物も、僅かにニュウが有りますが状態は良好です。サイズは口径21.5センチ、底径14センチ、高さ11.5センチです。丁寧に梱包して発送致します。