李朝(李氏朝鮮)の骨董錠前、銘入りです(写真11)。錠前の製作者の銘でしょうか?
銘刻は右書きで「聚萬」、豊臣秀吉が築いた「聚楽第(じゅらくだい)」が知られていますが、「聚楽」は本来「長生不老の楽しみを聚(あつ)める」の意味のようです。一方、「萬(まん、よろず)」は、漢字圏における数の単位で一万を表わし、数や程度が非常に多い事にも多用されます。
銘刻は左読みで「萬聚(まんじゅ)」、漢字のいみから途方もなく大きな銘で、一個人名ではなく、錠前製作所(工房)の屋号、ブランド銘ではないかと思い、以下を試してみました。
「萬聚」の韓国語(ハングル)読みは「マンジュ」、「萬聚」→韓国語(ハングル)変換→日本語変換すると「完走」になり、工房やブランド銘ではないかも分かりません。
板バネによるロック機構は、他の多くの骨董錠前と変わりませんが、解錠の方法が特徴的です。これまでは、商品説明になるべく詳しく解錠や施錠方法を記載していましたが、今回出品の錠前に関しては、購入いただいた方に、試行錯誤と解錠瞬間を味わっていただきたいと思い、説明は省略させていただきます。
手間取ることなく、あっと言う間に解錠できるかも分かりませんが、鍵の形状、板バネとの嵌合など、構造の創意工夫に、なるほどと思っていただけると幸いです。
いつ頃の製作か(経年)?白っぽい銀色ですが、材質が銅合金かどうか?などは不明です。汚れや傷などは見られますが、変形などはほぼなく堅牢さはしっかりと残っています。
大きさ(㌢)重さはおよそ次の通りです。
【錠前】
横幅6.2、高さ2.5、奥行1.8/
施錠域3.3×0.6、軸径0.3/
重さ66㌘/
【鍵】
長さ11、横幅0.7、重さ9㌘/
解錠にトライしてみて下さい。解錠に際し、鍵を奥に差し込む時は力を入れ過ぎず、直ぐにロックが解除されない時は何回か鍵の戻し入れを行うなどして下さい。必ず解錠出来ます。なお、鍵の紛失には注意下さい。