ショパン
①ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
②ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21

マレイ・ペライア（ピアノ）
指揮：ズービン・メータ
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音：1989年（デジタル・ライヴ）

息の長い活躍を続けるペライアは1990年以来、何度も指の故障に見舞われ、そのたびに不死鳥のごとく蘇っている。これは指の故障前、1989年のライヴ録音で、第1番はおよそ10年ぶりの再録音、第2番はこれが初録音となったもの。ペライアは持ち前のリリシズムと美しいタッチで名演・名盤のひしめくこの2曲に新たな光を当て、確固とした存在感を主張している。

「リパッティ以来」と評された、極上の抒情性が発揮されたショパン。ペライアの微細なニュアンスに富んだ演奏は素晴らしい。弱音がとても美しい。うっとりさせられます。

現代最高の「美しい演奏」を聴かせるピアニストとしてすでに世界的な名声が確立しているペライア。強音でも決してにごらないクリアな音と、シャープなリズム感の反映された克明かつ滑らかなフレージングは、ショパンの作品でもその持ち味を最大限に発揮しており、詩情豊かな名演奏に結実していると高い評価を受けてきました。強烈な個性を放っているわけではないが、オーソドックスな解釈の中にもクリアーなタッチから引き出されるマイルドで美しい音色を一瞬たりとも失うことのない知的なコントロールが貫かれている。それは決して小ぢんまりとしたおとなしい奏法ではなく、きめ細かな表情から全力を注ぎ込むスケールの大きな表現までが矛盾をきたさずに自然に統合される音楽設計も見事。こうしたところにも彼の頭脳的プレーと筋の通ったポリシーを窺わせている。

密かに技巧系と認識しているペライアのヴィルトゥオジティがよく発揮された演奏。曲の進行に伴ってどんどん指が軽やかに回りだし、演奏がノってくると足取りの重いメータ＆オケがついていけなくなる箇所が出てきます。第1番第3楽章は9分ジャストという驚異的スピードで弾ききってしまう。これはアルゲリッチ以上。しかも完璧にタッチをコントロールしています。第２番も、絶妙なルバートと驚異のピアニッシモでショパンらしい詩情を存分に表現します。

国内盤【CD club盤】帯無し　7
盤面うすいすれありますが再生問題無し

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