Callin' the Blues』は、ジャムセッションアルバムと言っていいくらいに野放図だ。グライムスのソロはやたらと長く、捉えようによってはダラダラ延々とソロを弾いているというふうに聴こえなくもない。また参加している他のミュージシャンも、サイドメンというよりはセッション参加者という雰囲気で、曲のまとまり感を意識している素振りはまったく感じられない。各人が適当に、自由気ままにソロを取ったブルース・アルバムにも思える。
まさに、チャーリー・クリスチャンの名声を高めた『ミントンズ・プレイハウスでのアフターアワーズ・セッション』のようだ。
このアルバムの面白さはそこにあると思う。
つまり、クリスチャンやパーカーと同時代を生きて、ビバップやリズム&ブルースを演奏してきたグライムスは、ここでもしつこいくらいに従来の世界観でソロを弾く。
エディ・ロックジョウ・デイヴィスは泥臭いホンカー面目躍如のテキサス・テナーでブルースを吹き、トロンボーンのヒギンボザムはニューオリンズジャズのテイストでブルースを。
レイ・ブライアントは端正でスタイリッシュなハードバップピアノでブルースを弾く。
笑ってしまうくらいバラバラである。
ここには、ひとつの楽曲としてのブルースの調和は無く、各人が自分のフィールドのブルースを自分勝手に演奏して、それが不思議と全体の和を成す世界を生み出しているのである。
ジャズの異種格闘技とでも言おうか、ビバップ、ハードバップ、リズム&ブルースが、泥臭さと洗練さが、ひとまとまりになったごった煮ブルースの魅力。
Callin' the Blues - 8:42
Blue Tiny - 11:34
Grimes' Times - 11:20
Air Mail Special - 7:33
パーソネルは次の通り。
Tiny Grimes (guitar)
J. C. Higginbotham (trombone)
Eddie "Lockjaw" Davis (tenor saxophone)
Ray Bryant (piano)
Wendell Marshall (bass)
Osie Johnson (drums)
以上引用
視聴は問題ありませんが
若干の盤の埃、スレがあります。
ジャケットはビニールが少し
破れがあります。
中古品につき御了承ください。