戦後間もない頃に祖父母が田舎から上京してきた際のトランクです。
私の保管が悪かったせいで20年ほど前には無かったシミが内部にあります。
黒かったアンティークトランク、擦れたハンドル付き。
- 素材:
- 色: 黒
- ハンドルの状態: 擦れあり
- サイズ: 約60cm x 40cm x 20cm
ご覧いただきありがとうございます。
田舎でお見合いで結婚した祖父母は、文字通り、裸一貫で、このトランクだけを持って汽車に乗り込んだんだと、木訥で普段は無口な祖父が、近所のお寿司やさんに連れて行ってくれる度に話をしてくれました。
当時の汽車は、窓ガラスなんてないから、トンネルから出ると真っ黒になったと祖母も話をしてくれました。
旧いから良いというのではなく、
造られた時の気品のようなものを兼ね備えた物が、いつしか時を経たときにも残っている気がします。
サウイフモノニ
ワタシハ
ナリタイ
と言いながら、高校生の頃に、このトランクを祖父母から借りて、空いた酒瓶を詰めて、宵待草という演目をしたことを思い出します。
オマージュが含まれてる作品で、ふとベケットのゴドーを待ちながらでも読もうかな、と思って、本棚を見渡したら、無かった。f(^_^;
当時の顧問の教頭先生が選んだ竹内銃一郎の戯曲だったんだけど、今の今まで、ずっとタイトルを勘違いしてました。f(^_^;
いや、おかしいな、とは当時も思ってたんです。
ブッチもサンダンスも呑んだくれだったし、
父親の部屋から空いたバランタインのボトルは持ち出さないといけないし、、、
あれ?と思って、今、ゴドーを待ちながらを読み返さず、理解しました。
酔待草、だったのね。