モーツァルト
①ピアノ・ソナタ第8番 イ短調K.311
②ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」
③ピアノ・ソナタ第18番ヘ長調K.533&494
マレイ・ペライア(ピアノ)
録音:1991年11月25-28日、ウィーン、ゾフィエンザール
意外なことに、これがペライア初のモーツァルトのソロ・ソナタ録音、現在でもペライア唯一のソナタ集です。モーツァルトのピアノ協奏曲は全集録音をしているのに、ソナタの録音には慎重です(アシュケナージやブレンデルも同様)。個性的ではありませんが、究極まで考え抜かれ、練り上げられた演奏で、モーツァルトにしては男性的ともいえる堅個な造形とすっきりとしたフォルムの中に、彼ならではのニュアンス豊かな音色を駆使して、優雅な気品漂う詩情をたっぷりと盛りこんでいます。ウィーンのゾフィエンザールでの録音で、引き締まった好ましい音質です。
ペライアは「ピアノで歌うこと、すなわち、本来歌わない楽器であるピアノに歌わせること、それがモーツァルトの抱いていた根源的な野心であった」と述べ、また、「モーツァルトは、オルガンや種々の管楽器の多彩な響きとニュアンスを、ピアノの音の中に刻み込んだ」としています。そうしたモーツァルトの考えを現実の音にするために取り組んだ成果がこの録音というわけです。モーツァルトの意図の完璧な再現は誰にとっても不可能です。しかし、ペライアは努力し、ある程度実現したと思います。悪戯心などどこにもない録音ですが、生真面目な音楽家の徹底的に生真面目な演奏がここにあると言えます。ペライアはモーツァルトのピアノ協奏曲全集を作ったとはいえ、モーツァルト弾きというイメージが日本ではあまりありません。モーツァルトのピアノ・ソナタのCDもこれ1枚しかありません。このCDが名盤として取り上げられることが少ないのは、「ペライアのモーツァルトなんて」という先入観があるためでしょう。実にもったいないことです。音質も素晴らしい。意外なことに録音会場がウィーンのゾフィエンザールです。
輸入盤【廃盤】盤面傷無し
ジャケットの裏面、経年によるシミ汚れが少しあり
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