絵画の種類...油彩画・油絵
形式...額縁入り
主題...風景・海景
主な画材...油彩絵の具
表サイン・裏書きあり
「土」を愛し「大地」を愛し「尾道」を愛した孤高の風景画家・小林和作の油彩肉筆画。F6号。額縁入り。その素朴で大胆なタッチは郷愁とともに多くの人に感動を与えてきました。
専門書による号単価の評価(写真参照)は高ランクになっていますが、値段の評価に関係なく共感を覚えるのがこの異色作家だと言えるでしょう。
画伯は自身で「高い山とか険しい山とかと言うより、普通にある山をしっかり描く」とおっしゃっていますが、この作は「尾道」と題しながら港や街並みではなく山をしっかり描いたところに、画伯らしさが表れた快作と言えるでしょう。
※市街の裏山から尾道水道をはさみ、対岸の向島を望んで描かれたものだと思われます。
※私どもの分析・研究により、よく見られる和作の筆タッチとは少し違いもありますが、真作であろうとの判断をしております。
【小林和作】明治21(1888)年~昭和49(1974)年
洋画家。山口県赤穂町生まれ。
裕福な地主の家に生まれ、幼いときから画才を発揮。京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)の在学中に日本画で文展に初入選を果たしながら、上京して洋画に転向。梅原龍三郎、中川一政、林武らの指導を受け、第2回春陽会に静物画で入選した。
渡欧の後、独立美術協会の会員となって広島県尾道市に移り住み、以後40年、同地で風景画の多くの傑作を残した。
昭和28年・芸術選奨文部大臣賞、昭和46年・勲三等旭日中綬章を受賞。
画寸:天地31.8cm×左右40.9cm(F6号)
額寸:天地49.2cm×左右58.3cm