大阪の鉱物 「ドーソン石」
今年の春先、和泉山中で採ってきたノジュールを割っていると出てきました。この石は、特にルーペを使わなくても、しっかりと白い光沢のある放射針状の結晶が見られ、キレイな花が咲いたような良いサンプルだと思います。
サイズ感も手ごろです。一緒に画像を撮っているノギスは、5cmにしてあるので、参考にしてください。
こちらは、ハンマーで割り出した時に、2つになったものを、接着しています。
「ドーソン石」はナトリウムとアルミニウムを主成分とする炭酸塩(たんさんえん)鉱物です。1874年にカナダのマクギル大学構内で初めて発見され、大学の学長で地質学者でもある、ジョン・ウィリアム・ドーソンにちなんで命名されました。世界で10番目に見つかったのが日本で、昭和47(1972)年に泉佐野市大木(おおぎ)地区で発見されました。
世界的にみても産出が稀である鉱物ですが、大阪府南部の山間部に存在する和泉層群の畦ノ谷泥岩層(あぜのたにでいがんそう)からは、アンモナイトや二枚貝などの化石とともによく見つかります。石灰質のノジュールを割ると、化石とともに白い花が咲いたように針状の結晶が放射状(ほうしゃじょう)に集合して見えるのがドーソン石です。
1874年:和暦では明治7年