柄は菊唐草模様。藍染に一色入れた良品。布団地として使用されたものと思われる。通常布団地は、片面のみに型糊を置いて染められるが、この生地は両面に型糊を置くいわゆる長板染めの技法で染められている。当時では高級品にあたる。2回染める以上に、裏面と柄を合わせるという手間がかかるのが、その理由である。型糊を置くことによって防染され、柄として現れる生地の生成りの地白が、よりくっきりと見せるために、紺屋の職人は、この一手間をかけるのである。この藍染は加賀で収集されたものだが、加賀百万石の土地柄が表向き、質素倹約を標榜しながら、目立たないところで、結構な贅沢をしていた加賀の人の心意気が伺えるのである。
33cm x81cm
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