若狭めのう細工(わかさめのうざいく)は、福井県小浜市周辺で作られている石工品・貴石細工です。めのうは、無量寿経という仏教の経典の中で、極楽浄土の荘厳と言う意味で「七宝」として親しまれてきました。若狭めのう細工は、日本における貴石細工のルーツとしても知られています。
若狭めのう細工の特徴は、炎のように鮮やかで赤く半透明な色彩です。その色彩の秘密は、若狭めのう細工独特の「焼き入れ」という工程によって生まれます。鉄分を使用したこの焼き入れという技法によってできるめのう細工は、茶色がかった深みのある赤に仕上がり、若狭めのう細工独特の味を引き出しているのです。そのため、若狭めのう細工では、お椀や箸置きなどの日用品だけでなく、鶏や鯉などの飾り物も多く作られており、贈り物としてもよく利用されています。