①交響曲 第25番 ト短調 KV 183
②レクイエム ニ短調 KV 62
リーザ・デラ・カーザ:ソプラノ
イラ・マラニウク:アルト
アントン・デルモータ:テノール
チェザーレ・シェピ:バス
フランツ・ザウアー:オルガン
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブルーノ・ワルター:指揮
録音:1956 年 7 月 26 日
ORFEO:C 430 961 B(輸入盤)
1956年、ザルツブルク音楽祭の実況盤で、《レクイエム》の前に演奏されました。
ザルツブルクの大劇場は残響が少なく、しかもモノラルなのでワルターとしては艶のない、ぱさっとした感じの乾いた音質ですが、演奏自体はすばらしい。
ほかの指揮者は、もっとモーツァルトらしさを意識するけれど、ワルターはベートーヴェンを感じさせるほど激しい。これほど深く内容を抉(えぐ)った演奏は稀でしょうね。それがこの曲にぴったりなんです。これは青春の嵐なんですよ。モーツァルト、17歳の作品だ。17歳でこんなにも見事な音楽を書けるんですねえ。
(略)
ところが誰が指揮してもあんまり面白くないんだ。マタチッチもベームもつまらない。カラヤンは問題外。みんなテンポが遅いんですよ。ああいうふうにやると駄目だね。一気に進んでいかないと。ワルターはかなり速いですよ。彼は、速いときはとても速いんです。
とくに第1楽章は、猛烈に速くて、疾風怒濤の迫力がある。
逆に第2楽章は、だれよりも遅くてロマンティック。
第3楽章のメヌエットは、わりと典雅な18世紀の古典舞曲にしてしまう指揮者が多いんですよね。ワルターはそうじゃない。魂の慟哭なんですよ。これがすごいんだ。
第4楽章も第1楽章同様、速めのテンポから緊迫感が伝わってくる。
(略)
ワルターはこの後すぐに心臓麻痺で倒れたんですね。ちょうど80歳か。すごいですね、80歳の老人の指揮ぶりとは思えない。
交響曲第25番の演奏について、『宇野功芳の白熱CD談義 ウィーン・フィルハーモニー』(ブックマン社)から引用しました。
盤面に、傷はありません。
老眼での素人検品です。傷の見落としがありましたら、ご容赦願います。
出品前に、全曲の再生確認してあります。
問題なく再生できます。
自宅で長期保管していた物です。
神経質な方は、購入を控えてください。