ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ全集(8CD)
ヴィルヘルム・バックハウス(p)
1959-69年ステレオ録音
(第29番のみ1952年モノラル録音)
バックハウスがスタジオ録音を行った2度にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集のうち、新しいステレオ録音(第29番のみステレオによる再録音を果たすことが出来なかった。)による全集であるが、いずれの楽曲の演奏も神々しささえ感じさせるような至高の超名演。精神的な深みにおいては、今なお本演奏を凌駕するものがあらわれていない。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を代表する優れた演奏として信頼度の高さには絶大なもの。当全集はバックハウスにとって二度目のものですが、堅牢な構築性と知的な解釈に裏打ちされた明晰な合理性、そのうえで示される雄大なスケール感と豊かな風格が醸し出す深い味わいは、古くからあらゆる評者の絶賛の声を浴び続けています。
バックハウス程ドイツの伝統を感じさせる演奏はない。19世紀にルーツを持つバックハウスの演奏を現在の技術レベルでとやかく言うのは野暮というものである。淡々と流れ行く音楽のエネルギーの底に、何か静かな瞑想的な静けさを感じます。例えそれが初期のソナタであっても。フルトヴェングラーの第9の匂いに通じるものがここにはあるように思います。
こちらが歳を重ねてある時に何気なく聴くと、予期せぬ驚きと感動を与えてくれる不思議な演奏家である。 このベートーヴェンもこちらの人生経験が足りなかったりすると、その良さの半分もわかっていなかったりする。 よりわかりやすく派手にアピールする他の演奏家のものを聴きたいと思うのだが、こちらも色々と人生経験を積んでくると、もうバックハウスおじいさんの演奏しか聴きたくなくなってくる。 第28番はかの宇野功芳氏も絶賛していて、彼の批評が全てを見事に言い表している。第29番「ハンマークラヴィーア」は静かな楽章のなんという深い瞑想。 どこか違う、神聖な世界へ行ってしまっている。 熱情も、最初聴いたときははもっと感情を表に出した演奏が聴きたい、と思ったが、このなんともいえぬ厳しく力強い世界が今では好きだ。 ワルトシュタイン、月光、悲愴、もやはり素晴らしい。
輸入盤【廃盤】盤面傷無し 68
外箱わずかなすれありますが全体的には美品です
*まとめ買い値引き致します(要事前コメント)