可成り大きなホームラジオです。何しろ38x 24x15cmと言う大きさ。
梱包すると100サイズになろうかと言うサイズです。
大きな理由は正面から見ると分かりますが16cmの可成り大きな所謂ロクハンの
スピーカーが付いている為です。
中を覗くと、このスピーカー、意外と磁気回路は小さい。φ60mm位のフェライト型です。
一方でパワートランジスタは大きめのアルミ放熱版に2コ強力そうな物が付いています。多分相当なパワーハンドリング力があるでしょう。
発売時期が明確では有りませんが赤色LEDがチューニングメーター代わりに使われる様になったのは73年頃からかと記憶しますし、このモデルに使われているスピーカーは音圧99dbを謳っていた
大型ポータブル2バンドのRE-740(72年発売？)に使われていた物と同じ様です。更にはこの796の前のホームラジオだったRF-780にも使われていた様なので、結構使い勝手の良いスピーカーだったのでしょう。
但し、スピーカーは同じでもアンプ部分はオーディオブームの影響もあって急速に進歩していた様で、此方の音は力感もありながら結構解像力も高い感じです。
依然として印象は昔の音なのですが、例えば現在出品している韓国製の小型ホームラジオとは違う、余裕のある音がします。周波数特性云々で言えば最近の特にパッシブラジエター付きの物は低音の再生限界がずつと低い感じですが、体感的な低音の量感が全く違います。
この様な大型のホームラジオをお勧めする理由がここにあります。勿論個人的な好みの問題は大きいのですが、スピーカー正面の特性と周辺の反射を含めた耳に届く音は相当に違い、実際に聴く音は後者が本物の音だろうと思います。単純にフラットな周波数だけが正義では無いかと。
この個体ですが、美品とは言えません。ヤニ汚れも酷く、入手した時は正面のパネルはシャンペンゴールドかと思った位です。クリーニング後はシルバーと分かりましたが。
ボックスフレームはパーティクルボードにプリントシートを貼った物ですが、裏側に多少剥がれがあり、修復しています。
ボリューム類のガリは消し、バンド切替もスムーズで動作には全く問題は有りません。
可成りパワーがあり、スピーカーの能率も高いので大音量でゆったりと音楽を楽しめます。