1959(昭和34)年5月に製造販売されました、シチズンマスター19石になります。当時は準高級機として販売されました。製造期間は非常に短く1年程でした。1960年にシチズンホーマーの原点となるニューマスターが登場した事も、関係していたのですかね。シチズン新本中三針モデルの最終のモデルとも言えるこのマスターにはシチズンの新本中三針への惜別を感じます。
ムーブメントには3桁のロットナンバーの刻印があったり、角穴・丸穴車に飾り溝があったりと普通でないところにも現れていると思います。出品の物のロットナンバーは900になります。オーソドックスな白文字板で上品な仕上げがされています。秒針の形状も上品だと思います。使用傷は薄くありますが、デッドストックではないかと思う状態の良い個体です。社外品の新品革ベルトを着けています。マスターは現存数が非常に少ない準高級機です。今まで出品をためらっていましたが、季節が春になった嬉しさで気持ちが緩みました。私のコレクションでは唯一の物です。もう、持っていません。どうかどうか可愛がって下さい(まだ少し未練があります)良き相棒となるはずです。