1998年、フォープレイのギターがリー・リトナーからラリー・カールトンに代わった。彼のより積極的なブルースとロックへの傾倒が、のんびりしたルーツを越えてフォープレイをその先に進ませるようなある種のパンチを与えるのだろうか。カールトンと一緒にやった最初の2枚のアルバム、『4』と『スノーバウンド』ではそういう方向性を示していたが、『Yes, Please』では移行が完了し、より気ままなアンサンブルを見せている。カールトンから始まる典型的な曲は調和した繊細なルート(リトナーがやっていたより抑えて)をたどり、そこから精力的なインプロヴィゼーションが始まる。「Free Range」は、ボブ・ジェームスの揺らめくようなゆったりしたピアノにこん然と溶け合う彼のハイトーンがゆるやかに沸きあがるネイサン・イーストとハーヴィー・メイソンのグルーヴへと重なるエレガントなデュエットで始まる。そこからカールトンは他のメンバーのリズムを1段階あげる響きわたる猛烈なソロで演奏をリードする。「Blues Force」はジェームスのピアノのリードで眠りを誘う魅惑的でブルージーなグルーヴで、カールトンが歯切れのよい、終わりに行くにつれて激しくなる演奏をしている。ジェームスは、カールトンがいきいきとしたソロを演奏する前には、思いやりのある引き立て役として演奏している。カールトンを完璧なフォープレイのメンバーにしているのは、彼の優しくロマンチックなアコースティックの面で、それは「Go with Your Heart」でのかつてのフォープレイのサウンドをしのばせる領域まで彼がリードすることを許した。だがここでも、彼はときに威勢よく演奏し、バンドメンバーをさらに1段階駆り立てている。
■れ5■
01. Free Range
02. Double Trouble
03. Once Upon a Love
04. Robo Bop
05. Blues Force
06. Save Some Love for Me - (featuring Chante Moore/Nathan East)
07. Fortress
08. Go With Your Heart
09. Poco a Poco
10. Little Fourplay, A
11. Lucky
#フォープレイ …